2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「バッタを倒しにアフリカへ」感想

本書はバッタの魅力に捕らわれた1人の日本人(前野ウルド浩太郎氏)が、バッタと職を求めて奮闘する様子を記録した研究エッセイである。 本書では、筆者の五感に訴える表現と率直な心情描写で、サハラ砂漠の厳しい気候や、日本では考えられない脅威(テロや毒…

「やがて恋するヴィヴィレイン 1」感想

戦場で想いを寄せ合った男女は、戦争が終わったとき、平和によって切り裂かれる。二人の再会は新たな戦乱をもってしか果たされないのか。「やがて恋するヴィヴィレイン」は「とある飛空士の追憶」を書いた犬村小六氏が描く戦争ロマンスファンタジー小説であ…

「一九八四年」感想

権力を至上の目的とした社会がどのような変貌を遂げるのか。「動物農場」の作者であるジョージ・オーウェル氏がその慣れの果てをシミュレートし、描いているのが本作「一九八四年」ではないだろうか。 本書で登場するオセアニアという国は、日常的に歴史の改…